こんにちは、はちぱん住宅ラボのはるです。
私は一条工務店 → 住友林業 → 一条工務店と、これまでに3回家を建ててきました。
今の家で一条は2回目です。
同じメーカーをもう一度選んだ理由も含めて、実際に住んでわかったことを書いています。
数字や寸法は、できるかぎり自分で測ったものを載せています。

こんにちは、はちぱん住宅ラボのはるです。
私は一条工務店 → 住友林業 → 一条工務店と、これまでに3回家を建ててきました。
今の家で一条は2回目です。
同じメーカーをもう一度選んだ理由も含めて、実際に住んでわかったことを書いています。
数字や寸法は、できるかぎり自分で測ったものを載せています。
「ポータブル電源で買ってはいけないメーカーはどこか」を探してこの記事にたどり着いた方へ、先に結論を書きます。
社名のリストを探すのはやめたほうがいいです。
そして、多くの記事が勧めている「PSEマークで選ぶ」も、ポータブル電源では的外れです。
はちぱん


社名の代わりに、商品ページを開いて30秒で判定できる6項目をお渡しします。
1つでも空欄があるメーカーは、候補から外してください。
この記事では、経済産業省とNITEの公表情報をもとに、なぜこの6項目なのかを1つずつ説明します。
あわせて、FPとして「安いポータブル電源は本当に安いのか」を廃棄まで含めて計算します。
検索すると、具体的な社名を並べた記事が出てきます。
読み手としては、それがいちばん手っ取り早い。
でも、その手軽さには落とし穴があります。
実際に上位の記事を読んでみると、社名を挙げているものは「自分なら買わない」「独断と偏見」と自ら断っていることがあります。
誠実な書き方だと思いますが、裏を返すと読者にとっては根拠のない順位です。
そのメーカーで事故が起きたのか、リコールが出たのか、法令に違反したのか。
そこまで書かれていないリストを、購入判断の根拠にはできません。
では、事実として確認する方法はあるのか。
あります。消費者庁がリコール情報サイトを運営しています。
ここでは回収や無償修理の情報が公表されていて、製品名やメーカー名で検索できます。
気になるメーカーがあれば、社名リストの記事を読むより、ここで直接調べるほうが確実です。
メールサービスもあるので、買ったあとに登録しておくという使い方もできます。
リコールは購入後に出るものなので、買う前に一度調べて終わりでは足りません。
ポータブル電源の市場は動きが速い分野です。
新しいブランドが増え、消えるところも出てきます。
つまり社名のリストは、書かれた瞬間から古くなっていきます。
1年前の記事に載っていないメーカーが安全という保証はないし、載っているメーカーが今も同じ体制とも限りません。
確認してほしいのは、記事の更新日です。
ポータブル電源の記事は数が多く、数年前に書かれたまま放置されているものが上位に残っていることがあります。
とくに社名を挙げた記事は要注意です。
そのメーカーがその後に体制を整えた可能性もあれば、記事に載っていない新しいメーカーが増えている可能性もあります。
古い評価が、検索結果の上のほうで生き残り続けるのがこの分野の特徴です。
読むときは必ず更新日を確認してください。
社名を挙げた記事ほど、書かれた時点の情報である点に注意が必要です。
ここがいちばん誤解されているところです。
「聞いたことがないメーカーは危ない」と言われがちですが、知名度そのものは安全性の指標ではありません。
大手でもリコールは出ますし、後発でも体制が整っているところはあります。
実際、リコールは規模の大小を問わず発生します。
だから「大手だから安心」も「無名だから危険」も、どちらも判断としては雑です。
知名度が効いてくるのは、問題が起きたあとです。
利用者が多ければ不具合が表に出やすく、メーカーも対応せざるを得ません。
逆に販売数が少なければ、不具合があっても声が集まらず、気づかれないまま流通します。
つまり知名度は「情報が集まりやすいかどうか」の指標であって、製品そのものの安全性ではありません。
ここを分けて考えると、判断がぶれなくなります。
問題なのは知名度ではなく、「何かあったときに責任を取る相手がいるかどうか」です。
ここがこの記事でいちばん伝えたい部分です。
多くの記事が「PSEマークを確認しましょう」と書いていますが、ポータブル電源の本体には、そもそもPSEマークの表示義務がありません。
経済産業省の「モバイルバッテリーに関するFAQ」に、そのままの質問と答えがあります。
Q.4 交流100Vも出力できる、いわゆるポータブル電源の扱いは?
経済産業省「モバイルバッテリーに関するFAQ」
A.4 蓄電池の出力は原理上直流に限られており、交流が出力できるポータブル電源は蓄電池に該当しないため、モバイルバッテリーとして扱わず、非対象。
この整理は、少し不思議に感じるかもしれません。
中身は同じリチウムイオン電池なのに、交流を出せるという理由で扱いが変わるからです。
法律上の「蓄電池」は直流を出すものと定義されています。
ポータブル電源はインバーターで交流に変換して出力するため、定義上の蓄電池に当てはまらないという整理になっています。
理屈は理屈として、利用者から見れば「規制の空白地帯にある製品」ということになります。
だからこそ、買う側が条件を持つ必要があるわけです。
非対象、と書かれています。
つまりAC100Vが出せるポータブル電源は、電気用品安全法の規制対象ではありません。
規制対象でない以上、PSEマークが付いていないことは違法ではありません。
逆に言えば、ポータブル電源本体については「PSEマークがあるから安全」という判断も成り立ちません。



混乱しやすいので、並べて整理します。
| 製品 | 電気用品安全法の扱い |
|---|---|
| モバイルバッテリー | 規制対象(体積エネルギー密度400Wh/L以上のものに限る) |
| ポータブル電源(AC出力あり) | 非対象 |
| ポータブル電源に同梱のACアダプター | 規制対象 |
ところがポータブル電源は同じ扱いになっていません。
モバイルバッテリーが規制対象になった経緯にも触れておきます。
発火事故が相次いだことを受けて規制対象として整理され、2019年2月からはPSEマークのない製品の販売が禁止されました。
事故が先にあって、規制があとから追いついた形です。
ポータブル電源は、いまその前の段階にあると考えることもできます。
※規制は見直されることがあります。購入時点の最新情報を、必ず経済産業省の公式サイトでご確認ください。
「うちの製品にはPSEマークが付いている」という方もいると思います。
主に次のような理由が考えられます。
任意取得であれば、メーカーの姿勢を示す材料にはなります。
ただし義務ではない以上、無いことを理由にそのメーカーを排除するのは行きすぎです。
ついでに、PSEマークには2つの形があることも知っておくと役に立ちます。
| マークの形 | 区分 |
|---|---|
| ひし形 | 特定電気用品。登録検査機関による適合性検査が必要 |
| 丸形 | 特定電気用品以外。事業者自らが技術基準への適合を確認(第三者機関へ依頼も可) |
同じPSEマークでも、ひし形と丸形では審査の重さが違います。
付いているかどうかだけでなく、どちらの形かを見ると解像度が上がります。
「PSEマークの有無で買ってはいけないメーカーを見分ける」という説明を見かけたら、その記事は経済産業省のFAQを確認していない書き方です。
規制の対象外だからといって、危険がないわけではありません。
むしろ逆です。
ここでは公的機関が公表している事故の実数を見ます。
感覚ではなく数字で、どれくらい起きているのかを押さえておきましょう。
NITE(製品評価技術基盤機構)が公表しているデータでは、2021年から2025年までの5年間に、リチウムイオン電池を搭載した製品の事故が2,140件報告されています。
この2,140件はポータブル電源だけの数字ではありません。リチウムイオン電池を搭載した製品全体の件数です。
製品別ではモバイルバッテリーが最多とされています。
ポータブル電源そのものについては、経済産業省が「事故(全て火災)が増加傾向」としています。
※こちらは2024年時点の記載です。
この数字をどう読むかですが、2,140件という数は、1年あたり400件を超える計算になります。
身の回りで聞かないから起きていない、という話ではありません。
なお、これはNITEに通知された件数です。
通知されなかった事案がどれだけあるかは、公表資料からは分かりません。
※数値はNITEの公表資料(2026年7月発表)に基づきます。最新の情報は必ずNITEの公式サイトでご確認ください。
もうひとつ、季節の傾向がはっきり出ています。
NITEによれば、事故件数は春から夏にかけて気温の上昇とともに増え、8月にピークを迎えます。
リチウムイオン電池は高温に弱いからです。
ここから、実用上の注意がそのまま導けます。
わが家も釣りや車中泊で車に積んでいますが、夏場に積みっぱなしにしないことだけは決めています。
製品選びより、この習慣のほうが効くと考えています。
保管についても、押さえておきたい点があります。
満充電のまま長期間置いておかないことです。
リチウムイオン電池は、満充電の状態で保管すると劣化が進みやすいとされています。
ただし推奨される保管時の残量はメーカーによって30〜80%と幅があります。
必ずお使いの製品の取扱説明書で確認してください。
防災用として置いておく場合、「満充電で保管したい」という気持ちと、電池に優しい保管は逆になります。
ここは各メーカーの案内に従うのがいちばん安全です。
リチウムイオン電池の火災増加を受けて、経済産業省や環境省などの関係省庁が連携して「3つのC」という呼びかけを行っています。
NITEもこれを紹介しています。
| 3つのC | 意味 |
|---|---|
| Cool Choice | 賢く選ぶ |
| Careful use | 丁寧に使う |
| Correct disposal with better recycling | 正しく捨てる、そして資源循環 |
注目してほしいのは3つ目です。
関係省庁が事故防止のポイントに「捨て方」を入れている。
買うときにいちばん考えない部分が、事故防止の3分の1を占めているということです。
この視点は、メーカー選びに直結します。
後半で詳しく書きます。
残りの2つも、選ぶときの話に読み替えられます。
Cool Choice(賢く選ぶ)は、この記事の後半で挙げる条件そのもの。
Careful use(丁寧に使う)は、さきほどの夏の車内と保管の話です。
つまり公的機関が言っていることは、「選び方」「使い方」「捨て方」の3点セットで、どれか1つでも欠けると事故につながるということです。
メーカー選びだけを気にしても、半分しかカバーできません。
ここからが実用です。
電気用品安全法による事前の規制がない領域なので、自分で条件を確認するしかありません。
誤解のないように書き添えると、まったく無法地帯というわけではありません。
重大な製品事故が起きた場合の報告義務(消費生活用製品安全法)や、欠陥による損害の賠償責任(製造物責任法)は別途かかります。
ただしこれらは事故が起きたあとの仕組みです。買う前に守ってくれるものではありません。
商品ページを開いて、次の6つを順に見てください。
「PSEでは選べない」と書いてきましたが、代わりに見られる公的な手がかりが、じつは用意されつつあります。
経済産業省は2024年2月、ポータブル電源の安全性要求事項(中間とりまとめ)を公表しました。
そしてこの要求事項が、電気製品の第三者認証制度であるSマークの安全基準として設定されています。
つまりSマークが付いているポータブル電源は、第三者の認証機関が基準への適合を確認した製品ということになります。
法律上の義務ではありませんが、いまのところ唯一の公的な選別材料です。
※Sマークは任意の認証制度です。付いていない製品が違法・危険という意味ではありません。
あわせて、2024年11月には一般社団法人日本ポータブル電源協会が設立され、業界としての基準づくりが進んでいます。
規制がないままではなく、いま整備の途中にあると理解しておくと、数年後にまた確認する動機にもなります。



ポータブル電源に使われるリチウムイオン電池には、大きく2種類あります。
リン酸鉄リチウムイオン(LFP)と、三元系です。
一般に、リン酸鉄のほうが熱に対して安定していて、サイクル寿命も長いとされています。
いま主要メーカーの製品はほぼリン酸鉄に移行しています。
商品ページに電池の種類が書かれていない製品は、その時点で候補から外していいと考えています。
記載漏れの可能性もありますが、判断材料が無い以上、比較の土俵に乗せられません。
見分け方は簡単です。
商品ページの仕様欄に「リン酸鉄リチウムイオン電池」「LiFePO4」「LFP」のいずれかが書かれていれば該当します。
サイクル寿命も一緒に確認してください。
リン酸鉄の製品は2000回から4000回程度と表記されていることが多く、この数字が書かれていること自体がメーカーの姿勢を示します。
※リン酸鉄なら発火しないという意味ではありません。どちらもリチウムイオン電池であり、扱いを誤れば事故は起こります。
AC出力の波形には3種類あります。
正弦波、修正正弦波(擬似正弦波)、矩形波です。
家庭のコンセントから来ている電気は正弦波です。
正弦波以外の製品につないだ場合、家電によっては正常に動かなかったり、機器を傷める可能性があります。
特にマイコン制御の家電は注意が必要です。
在宅酸素や人工呼吸器などの医療機器については、ポータブル電源で使用できるかを必ず機器メーカーと医療機関に確認してください。自己判断で接続しないでください。
安い製品ほど矩形波の可能性があります。
商品ページで「正弦波」と明記されているかを確認してください。
「修正正弦波」という表記にも注意してください。
名前に正弦波と入っていますが、これは正弦波ではありません。
波形を階段状に近似したもので、家電によっては不具合の原因になります。
紛らわしい表記なので、「純正弦波」または「正弦波」とだけ書かれているかを確認してください。
1000Whクラスの主要メーカー製品はほぼ正弦波ですが、安価な小容量モデルでは今も見かけます。
ここが「買ってはいけないメーカー」の核心だと考えています。
確認するのは3つです。
知名度は関係ありません。
何かあったときに連絡が取れる相手がいるかどうかだけを見てください。
数万円の買い物で、しかも発火の可能性がある製品です。
連絡先が分からない相手から買う理由はありません。
通販サイトの表示だけで判断しないことも大事です。
販売ページに書かれている「販売業者」と、製品を作っているメーカーが別のことがあります。
故障したときに連絡する先はどちらなのか。
保証書に書かれている窓口はどこなのか。
買う前に一度たどってみると、実態が見えます。
もうひとつ、保証期間の長さも見てください。
主要メーカーは3年から5年の保証を付けていることが多く、長い保証は「その期間は会社が存続する前提で商売している」という意思表示とも読めます。
逆に保証が半年や1年と極端に短い製品は、その理由を考えたほうがいいでしょう。
NITEが3つのCに入れていた「正しく捨てる」がここです。
買う前に、捨て方を確認してください。
リチウムイオン電池を含む製品は、多くの自治体で通常のごみとして出せません。
ごみ収集車や処理施設での火災の原因になるためです。
小型充電式電池については、一般社団法人JBRCがリサイクルの仕組みを運営しています。
ところがここに、知らないと確実にはまる事実があります。
AC100V出力付きのポータブル電源は、JBRCの回収対象外と明記されています。
加熱式タバコや自動車用電池と並んで、対象外リストに載っています。
会員企業の製品かどうかは関係ありません。
つまり出口は「メーカー独自の回収」か「自治体の案内」しかないということです。
だからこそ、買う前にメーカーが回収の仕組みを持っているかを確認する意味があります。
ここが空欄なら、使い終わったときに行き場を自分で探すことになります。
あわせて、メーカー自身が回収プログラムを持っているかも確認してください。
ここが空欄のメーカーの製品は、使い終わったときに行き場がなくなります。
自治体の対応も先に調べておくと安心です。
「(お住まいの自治体名) リチウムイオン電池 処分」で検索すれば、たいてい案内が出てきます。
自治体によっては拠点回収を行っているところもあれば、メーカーか販売店に相談するよう案内しているところもあります。
後者の場合、メーカーに窓口がなければ本当に行き場がありません。



最後は数字の書き方です。
容量(Wh)、定格出力(W)、サイクル寿命、動作温度。
これらが具体的な数字で書かれているかを見てください。
「大容量」「高出力」「長寿命」といった言葉だけで、数字がない製品は避けたほうがいいです。
また、mAhだけを大きく表示してWhを書いていない製品も要注意です。
mAhは電圧と組み合わせないと実際の容量が分からないため、数字を大きく見せるために使われることがあります。
比較するときは必ずWhで揃えてください。
これだけで、誇大な表示にだまされる確率がかなり下がります。
もうひとつ、定格出力とピーク出力(瞬間最大出力)を混同させる書き方にも注意してください。
大きく「2000W」と書かれていても、それがピーク出力なら継続して使える電力はもっと小さいです。
使いたい家電が動くかどうかを決めるのは定格出力のほうなので、こちらを見てください。
ドライヤーや電気ケトルを使いたいなら、定格1500W以上が目安になります。
FPとして、お金の面からも整理します。
「安いメーカーはやめたほうがいい」とよく言われますが、なぜなのかを数字で説明している記事は多くありません。
ポータブル電源は消耗品です。
電池なので、充放電を繰り返すと容量が落ちていきます。
だから本体価格だけを比べても意味がありません。
見るべきは「容量あたりいくらか」と「何回使えるか」の掛け合わせです。
たとえばサイクル寿命が4000回と500回の製品では、同じ値段でも8倍の差があります。
本体が半額でも、寿命が4分の1なら結果的に高い。
サイクル寿命が書かれていない製品は、この計算そのものができません。
条件5で「数字の根拠」を挙げたのは、こういう理由です。
具体的に計算してみます。
1000Whクラスで、次の2台を比べます。
| A:7万円 4000サイクル | B:4万円 500サイクル | |
|---|---|---|
| 本体価格 | 70,000円 | 40,000円 |
| 使える回数 | 4000回 | 500回 |
| 1回あたり | 17.5円 | 80円 |
本体はBのほうが3万円安いのに、1回あたりのコストはAの約4.6倍になります。
※サイクル寿命は一例です。実際の製品の数値と使用条件で結果は変わります。
もちろん、500回でも自分の使い方には十分ということはあります。
年に5回しか使わないなら100年分です。
大事なのは、この割り算をしてから決めることです。
ここでもうひとつ考えたいのが、使わないまま置いておく年数です。
電池には充放電の回数とは別に、時間とともに劣化していく性質があります。
つまり防災用として買って一度も使わなくても、年数が経てば性能は落ちていきます。
「いざというときのために置いておく」という買い方は、電池という商品といちばん相性が悪いということです。
これも、後半で「そもそも必要か」を考えたい理由のひとつです。
そしてもうひとつ、計算に入っていない費用があります。
捨てるときのお金です。
メーカーやJBRCの回収に乗せられれば、費用の負担は小さく済みます。
ところが回収の仕組みがないメーカーの製品は、自分で引き取り先を探すことになります。
不用品回収業者に依頼すれば、当然そのぶんの費用がかかります。
さらに厄介なのが、メーカー自体がなくなってしまう場合です。
市場の入れ替わりが速い分野なので、これは現実に起こります。
そのとき、安く買ったはずの製品が、捨てるためにお金のかかる置物に変わります。
この「出口の費用」は、買うときにはまったく見えません。
数年後に、忘れた頃に請求される費用です。
FPの仕事で住宅ローンや保険を見るときも同じことを言います。
入口の金額だけで比べると、たいてい出口で損をします。
ポータブル電源は数万円の買い物ですが、構造はまったく同じです。
本体価格が1万円安いことと、出口が確保されていること。
どちらを取るかという話です。
判断基準はシンプルです。
「買ってはいけないメーカー」を社名で覚える必要はありません。
この3つで割り算ができないメーカーが、買ってはいけないメーカーです。
補足しておくと、これは安いメーカーを否定する話ではありません。
数字が揃っていて、割り算した結果が自分の使い方に合っているなら、安い製品を選ぶのは合理的です。
問題なのは価格ではなく、判断材料が出てこないことです。
そこだけは譲らないほうがいいと考えています。
選び方の話はここまでです。
ただ、買って終わりではありません。リコールは、買ったあとに出るものだからです。
前半でも触れましたが、消費者庁のリコール情報サイトにはメールサービスがあります。
登録しておけば、新しい情報が出たときに届きます。
ポータブル電源に限らず、家じゅうの家電が対象になります。
登録は一度きりの作業なので、やっておいて損はありません。
あわせて、メーカーの製品登録も済ませてください。
保証を受けるために必要なことが多いうえ、リコールが出たときにメーカーから直接連絡が来る経路になります。
リコールは型番と製造ロットで対象が決まります。
「うちのはこのメーカーだけど、対象なのか分からない」となりがちなので、次の3つを残しておいてください。
ラベルは使っているうちに擦れて読めなくなることがあります。
買った直後に撮っておくのがおすすめです。
最後に、これがいちばん大事です。
次のような状態になったら、充電も使用もやめて、メーカーに連絡してください。
「まだ使えるから」と使い続けるのがいちばん危ない。
「3つのC」の1つに「丁寧に使う(Careful use)」が挙げられています。
異常のサインに気づいたら、使い続けないことです。



メーカー選びの前に、考えておきたいことがあります。
自分に本当に必要なのかという点です。
ここは正直に書きます。
わが家は一条工務店の家で、太陽光13.475kWと蓄電池を載せています。
そして実際に停電を経験しましたが、そのときポータブル電源の出番はありませんでした。
蓄電池で足りてしまったからです。



それでも手放していません。
釣り、車中泊、子どもが小さい頃のミルク用。日常で使い倒しているからです。
ここから言えることは、はっきりしています。
防災だけを理由に買うと、出番のないまま数年が過ぎる可能性があります。
そうなったとき、どのメーカーを選んだかはほとんど関係ありません。
逆に、キャンプや車中泊など日常で使う予定がある方は、買って損をしにくい。
使う回数が増えるほど、1回あたりのコストは下がっていきます。
詳しくは、実際に使っている製品のレビューにまとめています。




最後に整理します。
買う前の規制がない分野だからこそ、買う側が条件を持つしかありません。
この記事の6項目をそのまま商品ページに当てて、1つでも空欄があるメーカーは候補から外す。
それだけで、選ぶ段階での失敗はかなり減らせます。



【出典・注記】
電気用品安全法の適用範囲は経済産業省「モバイルバッテリーに関するFAQ」、事故件数および3つのCはNITE(製品評価技術基盤機構)の公表資料(2026年7月発表)に基づきます(いずれも2026年8月時点)。
制度や統計は更新されるため、購入前に必ず各機関の公式サイトで最新情報をご確認ください。
本記事は特定のメーカーの製品の安全性を保証するものでも、危険性を断定するものでもありません。















