はじめに
太陽光発電=「売って稼げる」時代は、もう終わりつつあるかもしれません。
特に2025年以降、新たに導入される売電制度によって、これまでのように電気を売るだけで収益を得るモデルは徐々に通用しなくなってきます。
じゃあ太陽光はもう意味がないの?…実はその逆。
これからは“自分たちで発電し、自分たちで使う”ことに価値が出る時代なのです。
この記事では、2025年からの売電価格制度の変更点と、話題の「N式」自家消費運用について、実体験を交えながら詳しく解説していきます。
2025年以降の太陽光制度|売電価格はどう変わる?
2025年度から、経産省が定める「再エネ賦課金抑制の方針」に基づき、10kW以上の太陽光発電における余剰電力買取価格(FIT価格)が段階的に引き下げられます。
特に大きな影響を受けるのは「一条工務店」のように、10kW以上を標準採用しているケース。
■ 売電価格の推移(余剰買取/2025年以降)
- 導入から4年間:24円/kWh(固定価格)
- 5年目以降:8.3円/kWh(固定価格)
つまり、最初の4年間だけは比較的好条件で売電できますが、5年目以降は収益性が大きく下がるということです。
これにより、「とりあえず売っていれば得する」という考えは、今後ますます通用しなくなるでしょう。
そもそも売るより“買わない”方が得になる
現在の買電価格(東電エリア参考)
- 昼間(デイタイム)単価:約30円/kWh
- 夜間(ナイトタイム)単価:約15円/kWh
対して、売電価格が5年目以降「8.3円/kWh」になるなら、どう考えても
✔ 売るより、自分たちで使った方が得
電気代30円を浮かす方が、8.3円で売るより経済的に良い
これが「売電の限界」と言われる理由です。
そして、これに対応する方法が、次に紹介する「N式」自家消費運用
話題の「N式」運用とは?
「N式」とは、一条工務店の施主を中心に広がっている賢い電気の使い方の総称。
以下のようなルールで自動制御することで、買電コストを限りなくゼロに近づける工夫です。
■ N式のポイント
- 昼間に発電した電気は「売らずに」家庭で使用
- 余った電力は蓄電池に充電
- 夜間や雨の日は蓄電池から放電して自家消費
- どうしても足りない時だけ、深夜帯の安い電力を買う
この運用で重要なのは、蓄電池とHEMSの設定。
「なるべく売らずに、効率よく使う」設定にすることで、トータルの電気代が劇的に変わってきます。
実体験|我が家の収支
我が家では、13.45kWの太陽光+7kWhの蓄電池を導入し、N式での運用は必要最低限のみしかできていません。
■ 実際の1ヶ月の平均
- 買電:4,500円
- 売電:14,000円(平均)
- 実質収支:+9,500円
これが冬でも夏でもほぼ黒字 床暖房をフル稼働した12〜2月ですら、月6,000円台の買電に抑えられ、売電でカバーできています。
私はまだ完璧にN式を活用できてないので冬は買電が発生していますが、一条工務店の施主さんは上手くN式を活用してる方達が多く、冬場も買電0を実現してる方も少なくありません。
太陽光と蓄電池の導入費用は高いですが、10〜15年で元が取れる計算になる上に、光熱費0円生活というQOLの向上は想像以上でした。 まとめ|これからの時代は“買わない家”が勝つ 太陽光を「売って稼ぐ」時代から、「自分で使って節約する」時代へ。 2025年以降の売電単価の変化を見ても、この方向性は加速するばかりです。
今後、住宅購入・新築を考える人は、次のポイントをぜひ重視してください。 ✔ ポイントまとめ 蓄電池を導入しよう(売電収入より自家消費) HEMSで賢く制御しよう(時間帯による買電を最適化) 電気代の“自給自足”を目指す(長期視点で回収) 「これからは売るより買わない」
この新しい常識を、家づくりにぜひ活かしてみてください。
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