こんにちは、はちぱん住宅ラボのはるです。
私は一条工務店 → 住友林業 → 一条工務店と、これまでに3回家を建ててきました。
今の家で一条は2回目です。
同じメーカーをもう一度選んだ理由も含めて、実際に住んでわかったことを書いています。
数字や寸法は、できるかぎり自分で測ったものを載せています。

こんにちは、はちぱん住宅ラボのはるです。
私は一条工務店 → 住友林業 → 一条工務店と、これまでに3回家を建ててきました。
今の家で一条は2回目です。
同じメーカーをもう一度選んだ理由も含めて、実際に住んでわかったことを書いています。
数字や寸法は、できるかぎり自分で測ったものを載せています。
33坪の平屋に住んでみて、いちばん引っかかっているのは通路に取られた面積と、和室を続き間にしたことです。
「一条工務店 平屋 後悔」で検索している人が知りたいのは、平屋一般のデメリット一覧ではなく、実際に住んだあとに効いてきたのはどれなのかという一点だと思います。
ネットに並んでいる後悔ポイントは、たしかにどれも「起こりうること」ではあります。
ただ、住んでみると重さがまったく違いました。
ほとんど気にならなかったものもあれば、間取りを決める前に知っておきたかったと思ったものもあります。
この記事では、平屋で暮らしている側から、後悔ポイントを1つずつ「実際どうだったか」で答えていきます。
とくに時間を割いたのは、あまり語られないのに一番効く通路に取られる面積の話です。
同じ33坪でも、平屋と2階建てでは使える部屋の広さが変わります。
そこを知らないまま坪数だけで決めると、住んでから「思ったより狭い」になります。
費用・収納・防犯・日当たり・音まで、順番に見ていきます。
平屋が「狭い」と言われる本当の理由は、部屋そのものが小さいからではありません。
部屋にできない面積の割合が、2階建てより大きくなるからです。
33坪の平屋に住んでいて、いちばん実感が強いのがここでした。
2階建ての33坪は、1階と2階に半分ずつ乗ります。
総2階なら1階16.5坪・2階16.5坪という計算です(33 ÷ 2 = 16.5)。
このとき、部屋と部屋をつなぐ移動距離は1フロアぶんに収まります。
2階に3部屋あっても、階段を上がったホールから左右にドアが並ぶだけで済むからです。
平屋は違います。
同じ部屋数を横一列に並べるので、端の部屋から端の部屋まで人が歩ける道を全部つくる必要があります。
階段が消えるのはたしかに得なのですが、その代わりに廊下が横に伸びます。
2階建ての階段は約1坪、上下階の廊下を合わせても通路系は4坪前後で収まることが多い一方、平屋は部屋数が増えるほど廊下が素直に長くなっていきます。
わが家はここを、廊下という専用の道をつくらずに、洗面所を中心にして家をぐるっと回れる形にすることで逃がしました。
キッチンから洗面所へ抜けて、そのまま寝室側へ行き止まりなく回れます。
平屋で削るべきなのは部屋の広さではなく、通路の長さです。
回遊の考え方は回遊動線の記事で詳しく書いています。
はちぱん


一条工務店の間取りは91cmのグリッドで組みます。
廊下の幅は1マス、つまり0.91mが基本です。
ここで、長さ4マス(0.91 × 4 = 3.64m)の廊下がどれくらいの面積なのかを出してみます。
0.91m × 3.64m = 3.31㎡。
1坪は約3.31㎡なので、ちょうど1坪ぶんです。
畳に直すと 3.31 ÷ 1.62 = 約2.0畳になります。
たった4マスの廊下が、畳2枚ぶんの部屋を食っているということです。
一条工務店の坪単価はおおむね80万円台から100万円台で語られることが多いので、仮に90万円で計算すると、この廊下1本に90万円ぶんの床を使っている計算になります。
もちろん通路がゼロの家は成立しないので、廊下が悪いという話ではありません。
問題は、通路にしか使えない廊下を何本つくったかです。
わが家のLDKは22帖ありますが、これは単に広い部屋を取ったわけではなく、通路の役目もLDKに背負わせているからこの数字になっています。
LDKの中を通って次の部屋へ行けるなら、その通り道は廊下ではなく部屋の一部です。
同じ考え方で和室6帖もLDKとつなげてあります。
和室を独立した個室にすると、そこへ入るための通路が別に必要になりますが、LDKと続き間にしておけば通路はゼロで済みます。
数字だけ見れば「LDK22帖+和室6帖」ですが、実際には28帖ぶんの床を通路込みで使い切っている状態です。
その代わり、22帖あるのに、帖数の割には狭く見えます。
通路として通っている部分は家具を置けないので、体感の広さは数字どおりにはなりません。
「何帖あるか」ではなく「家具を置ける面積がどれだけ残るか」で考えてください。
広い部屋を取ることと、通路を部屋に変えることは、図面の上では同じ数字に見えても意味がまったく違います。
平屋の通路の長さは、細かい工夫より先に、玄関と水回りをどこに置いたかでほぼ決まってしまいます。
玄関が家の端にあると、そこから一番遠い部屋まで一直線の廊下が要ります。
玄関を中央寄りに置けば、左右に振り分けられるので、片側あたりの道の長さが半分になります。
これは間取りを描き始めた最初の10分で決まる話で、あとから直すのがとても難しい部分です。
もう1つが水回りです。
洗面所・浴室・トイレ・洗濯機を1箇所にまとめると、そこへ向かう道が1本で済みます。
逆にトイレだけ遠くに離すと、そのためだけの通路が生まれます。
わが家は洗面所を家の中心に置いて、そこを通って各方向へ抜けられる形にしました。
結果として、洗面所が通路も兼ねているので、廊下として独立した空間はほとんどありません。
行き止まりの廊下は、通路としてしか働きません。
一方で回遊できる通路は、洗濯を運ぶ道でもあり、朝の身支度の道でもあり、来客時に人が交差しない逃げ道でもあります。
同じ1坪でも働く回数が違います。
間取りの提案をもらったら、図面の上で通路にしか使えない部分をペンで塗りつぶしてみてください。
塗った面積が2坪を超えているなら、そこが削れる余地です。
2坪は畳4枚ぶん、金額にすると坪90万円で計算して 2 × 90 = 180万円ぶんの床にあたります。
間取りの原則そのものは平屋の間取りで後悔しない3原則で整理しているので、これから図面を引く人はそちらもどうぞ。
平屋の後悔ポイントで、通路の次に多いのが収納不足です。
これは平屋の構造上、避けにくい問題でもあります。
わが家がどう補ったかを、仕組みから書きます。
2階建ての収納は、あちこちに分散して置けます。
階段下のデッドスペース、2階ホールの物入れ、屋根裏、各部屋のクローゼット。
とくに階段下は、階段をつくった時点で生まれる余りものなので、実質的にタダの収納です。
平屋にはそれがありません。
収納を1坪増やすと、居室が1坪減ります。
これがはっきりした引き算になるので、間取りの打ち合わせで最後に削られるのがだいたい収納です。
一般に収納率は延床面積の8〜12%が目安とされます。
33坪なら 33 × 0.10 = 3.3坪、畳に直すと約6.6畳ぶんです。
これを全部1フロアの中から捻出することになります。
やっかいなのは、毎日使うものより「年に数回しか出さないもの」のほうが場所を取る点でした。
季節家電、扇風機、雛人形、来客用の布団、防災の備蓄、子どもの思い出の箱。
日常の収納は計画どおりで足りたのに、この手のものが行き場を失って、気づくとクローゼットの奥を占領していきます。
平屋で足りなくなるのは日常の収納ではなく、年に数回の収納です。
わが家はこれを小屋裏収納で逃がしました。
小屋裏収納が平屋と相性がいいのは、単に物が入るからではなく、条件を満たせば床面積に算入されないからです。
一般には、天井の高さが1.4m以下で、直下の階の床面積の2分の1以下であれば床面積に入らないという扱いになります。
33坪の平屋なら計算上は 33 ÷ 2 = 16.5坪まで可能ということになりますが、実際にそこまで作る人はまずいません。
ここで注意したいのが、床面積に入らないことと、費用がかからないことは別という点です。
小屋裏は施工面積には入るので、見積もりの金額はしっかり増えます。
延床面積と施工面積の違いは見積もりの読み方そのものに関わるので、延床面積と施工面積の記事で先に理解しておくと打ち合わせが早くなります。
また、小屋裏の扱いは自治体によって運用が異なることがあるので、はしごを固定してよいかなども含めて設計士に確認するのが確実です。






実際に住んでみて、小屋裏に上げて正解だったのは次のようなものです。
季節家電、来客用の寝具、子どもの作品や思い出の箱、防災備蓄のうち水以外のもの、キャンプやレジャーの道具。
共通しているのは、出す回数が年に1〜2回で、なくても翌日の生活が止まらないものです。
一方で、ここは読みが外れた部分でもあります。
間取りを考えていたときは、かさばるものはひととおり小屋裏に置けるつもりでいました。
実際に住んでみると、置けると思っていたのに置けなかったものが2種類ありました。
1つは重いものです。
はしごで上げ下げする以上、片手がふさがる重さの箱は現実的に運べません。
防災の備蓄も、水だけは上げられませんでした。
小屋裏を計画に入れるなら、入る量より先に「はしごで持ち上げられる重さか」を基準にしたほうがいいです。
入れ物のほうを軽い箱にそろえておくと、上げ下げの心理的なハードルがかなり下がります。
はしごについて、もう少し具体的に書いておきます。
上るのは簡単です。問題は下りるときで、正直なところ少し怖い。
両手で荷物を抱えたまま後ろ向きに下りることはできないので、「持って下りられるか」で入れるものが決まります。
固定階段にするという選択肢もありますが、そのぶん下の階の床を使います。
ここまで制約の話ばかり書きましたが、小屋裏そのものはかなり気に入っています。
普段は天井に完全に隠れていて、開けたときだけ現れる。
子どもが友だちを連れてきたときに見せると、まず間違いなく喜びます。
いい年をした大人が言うことではないかもしれませんが、秘密基地のようで単純にかっこいいのです。
収納量だけで比べていると出てこない要素ですが、毎日ちょっと嬉しいというのは、住んでみると意外に効きます。
正直に書くと、最初はロフトを検討していました。
見積もりにも一度は入れています。
それでも最終的にやめたのは、間取りが成立しなかったからです。
ロフトは上がる階段と、その下の空間と、天井の高さが取れる位置が同時に要ります。
つまりロフトを載せる場所に合わせて、1階の間取りのほうを組み直す必要があるということです。
先に間取りを決めてからロフトを足そうとすると、9割がたは成立しません。
一条工務店でロフトが作れないわけではありません。
ただロフトありきで間取りを引く覚悟が要るので、そこは敷居が高いと感じました。
「収納が足りないからロフトも」という順番で考えていると、まず入りません。
結果として、わが家は小屋裏収納に落ち着きました。
見積書では小屋裏物入(平屋の1階桁上)1.5坪までで167,500円、天井のはしごユニット込みの金額です。
こちらは1階の間取りをほとんど動かさずに載せられます。
はしごで上がる形になるぶん制約はありますが、間取りを崩さずに収納だけ足せるのは、平屋にとってかなり大きい利点です。
ロフトと小屋裏で迷っている方は、収納量ではなく「間取りをどこまで動かせるか」で決めると早いと思います。
もう1つが、暑さに弱いものでした。
夏の小屋裏は、床暖房のある家でも空調がそのまま効く場所ではないので、室内よりだいぶ暑くなります。
電池類や精密機器を置く場所ではないと考えたほうがいいです。
小屋裏は「入る量」で選ぶと外します。上げ下げできる重さと、夏の暑さに耐えるかの2つで絞り込むことになります。
収納量の考え方そのものは小屋裏収納の記事にまとめてあります。
「平屋は高い」はよく聞きますが、なぜ高いのかを分解すると納得しやすくなります。
理由は大きく3つ、基礎と屋根と土地です。
そして一条工務店の場合、高くなるぶんを一部取り返せる要素もあります。
平屋が割高になる理由は、同じ延床でも構造の面積が倍になるからです。
33坪の平屋と、同じ33坪の総2階を並べると、差がどこに出るのかがはっきりします。
| 項目 | 33坪の平屋 | 総2階の33坪 | 差 |
|---|---|---|---|
| 基礎面積 | 33坪 | 16.5坪 | 2倍 |
| 屋根面積 | 33坪 | 16.5坪 | 2倍 |
| 必要な敷地(建ぺい率60%) | 55坪 | 27.5坪 | 27.5坪 |
| 建物外周 | 約41.6m | 約29.6m | 約12m |
基礎と屋根は、家の中でも単価の高い部位です。
壁紙や建具のように後から選び直せるものと違い、構造そのものなので削りようがありません。
ここが「同じ坪数なのに平屋のほうが高い」の正体です。
見積もりを見るときも、この2つは仕様を落として調整できる項目ではないので、平屋を選んだ時点で乗ってくる固定の差だと考えておくと納得しやすくなります。
逆に言えば、平屋で削るなら基礎と屋根以外を見るしかありません。
ただし、一条工務店に限っては屋根の広さが逆に効く場面があります。
屋根一体型の太陽光は、屋根面積が広いほど載る量が増えるからです。
わが家は13.475kWを載せています。
2階建てで同じ延床なら屋根は半分なので、ここまでは載りません。
平屋の割高分は、太陽光の搭載量というかたちで一部返ってきます。
見落とされがちなのが土地代です。
上の表のとおり、建ぺい率60%の土地なら、33坪の平屋には55坪、総2階の33坪には27.5坪が計算上の下限になります。
差は27.5坪です。
使う式は 希望延床 ÷ 建ぺい率 だけなので、気になる土地が出てきたらその場で出せます。
これを金額に直すと重さがわかります。
土地が坪30万円の地域なら、27.5 × 30 = 825万円の差です。
坪20万円の地域でも 27.5 × 20 = 550万円になります。
平屋の本当の割高分は、建物より土地に出ることがあります。
しかも55坪はあくまで建物が乗るだけの数字で、実際には駐車場・アプローチ・庭・給湯機や室外機の置き場が要ります。
だから平屋を建てるなら、土地探しの段階で「延床何坪の平屋を建てたいか」を先に決めておく必要があります。
建ぺい率と用途地域は土地ごとに違うので、坪数だけを見て土地を押さえると、あとから希望の平屋が乗らないことが起こります。






ここはFPの立場から先に書いておきたい部分です。
平屋は、建てたあとに毎年かかる固定資産税でも不利になりやすい形をしています。
しかも効き方が2方向あるので、片方だけ見ていると見落とします。
1つ目が建物の評価です。
建物の評価額は、同じような建物を今もう一度建てるとしたらいくらかかるか、という考え方で決まります。
ここまで見てきたとおり、平屋は同じ延床でも基礎と屋根の面積が2倍あります。
その分が評価に反映されるので、延床が同じでも平屋のほうが建物の評価額は上がりやすいということになります。
屋根一体型の太陽光も建物の一部として扱われるので、載せる量が多ければそこも評価に含まれてきます。
2つ目が土地の評価です。
建ぺい率のところで書いたとおり、平屋は必要な敷地そのものが広くなります。
土地の税額はおおまかに言えば面積に比例して増えるので、広い土地を買った時点で毎年の負担も増えます。
平屋は建物の評価と土地の面積の2方向から固定資産税に効いてきます。
初期費用の比較表には出てこない項目なので、35年という単位で考えるなら足しておきたいところです。
ただし、実際にいくらになるかをここで断定することはできません。
評価の方法には自治体ごとの運用がありますし、新築住宅の減額措置や、住宅用地の特例をどう適用するかでも金額が変わります。
試算を知りたい場合は、建てる予定の自治体の資産税の窓口か、税理士に確認するのが確実です。
この記事では「同じ延床なら平屋のほうが上がりやすい方向に働く」という向きだけ押さえておいてください。
土地を決める前に知っているかどうかで、予算の組み方が変わってきます。
3つ目が外構です。
平屋は建物が横に広がるので、敷地に対する建物の外周が長くなります。
上の表のとおり、33坪の平屋の外周は約41.6m、同じ33坪の総2階なら約29.6mで、その差はおよそ12mです。
この12mぶんが、そのまま外構の対象として増えることになります。
外周が長いということは、建物の周りに回す砂利や土間コンクリート、フェンス、雨水の処理といった外構の対象がそのぶん増えるということです。
加えて、平屋は敷地に対して建物が占める割合が大きいので、庭として残る部分が細長くなりやすく、使いにくい形の余白が生まれやすくもなります。
外構費は建物の見積もりと別枠なので、建物の金額だけを見て予算を組むと、最後に足が出ます。
わが家も、建物の打ち合わせが終わってから外構の見積もりを取って、そこから優先順位を組み直しました。
先に外構の概算枠を確保しておくと、建物側で削る判断が冷静にできます。
金額の目安としては、外構費は建物価格の10%前後と言われることが多く、実際の相場は150万円から300万円あたりに収まるケースが目立ちます。
平屋はここまで書いた外周の長さぶんが素直に上乗せされるので、この幅の上のほう、300万円前後を最初の枠として置いておくと、あとで組み替えがききます。
駐車場を2台以上取る場合や、門まわりまで作り込む場合は、さらに上を見ておく前提です。
とくに境界のフェンスと、建物の周囲に回す土間や砂利は、外周の長さにそのまま比例して増えていきます。
ここを甘く見ると、住み始めてから何年も土のままの部分が残ることになります。
内訳ごとの金額は外構費用の記事に分けて書いています。
平屋を検討していて多いのが、防犯と視線の不安です。
寝室の窓まで地面と同じ高さにある、という事実は確かに引っかかります。
住んでみてどうだったかを書きます。
2階建てなら、2階の窓は開けたまま寝られます。
平屋にはその選択肢がありません。
すべての窓が地面と同じ高さにあるので、防犯の考え方を変える必要があります。
やったのは、窓に役割を割り振ることでした。
道路側と隣家側は、光を入れるためだけの窓にして、人が通れない大きさか、手の届かない高さに置きます。
開けたい窓、風を通したい窓は、外から見えにくい側に集めます。
この整理をすると、防犯上気にすべき窓の数がぐっと減ります。
そのうえで、残った窓にだけシャッターや面格子、センサーライト、後付けの補助錠を検討すれば十分に成立します。
数が絞れていれば、後付けの部材で足りることがほとんどです。
すべての窓に同じ対策をしようとすると費用も手間も膨らむので、まず優先順位をつけるところから始めるのが現実的です。
設備を買うのは最後で、順番としては窓の配置を決めるほうが先だと考えています。
そしてもう1つ、一条工務店の平屋だからこそ効いた点があります。
この家はロスガード(全館換気システム)で家じゅうの空気が回っているので、そもそも窓を開けて風を通す必要がほとんどありません。
結果として、夜に窓を開けて寝るという習慣自体がなくなりました。
換気が窓に依存していないことが、平屋の防犯不安を実質的に小さくしています。
これは平屋の記事ではあまり書かれませんが、住んでいていちばん納得した部分です。
視線も同じ考え方です。
カーテンやシェードで隠すという発想だと、昼間もずっと閉めることになって、平屋の良さである明るさが死にます。
そうではなく、最初から視線の高さに窓を置かないほうが早いです。
立っている人の目線はおよそ1.5mなので、窓の下端をそれより上に置けば、外から中は見えません。
わが家は勾配天井にして、高い位置に窓を取りました。
この高所窓は外から中がまったく見えないのに、光だけがよく入ります。
ここで、先に数字を出しておきます。
電動のハニカムシェードを入れたのは、リビングの大きな窓と勾配天井の高所窓の2箇所だけです。
残りは全部手動にしました。
平屋は窓が全部同じ階に並ぶので、開け閉めする窓の数もそのまま1フロアに集中します。
朝ハニカムを上げて、暗くなったら下ろす窓が、いまも何箇所も残っている状態です。
数だけ並べれば、明らかに削った側の選択に見えると思います。
それでも、今のところ後悔していません。
理由は単純で、手が届く窓は毎日上げ下げしても手間だと感じないからです。
面倒なのは、脚立を出さないと届かない窓のほうでした。
電動ハニカムシェードは「大きい窓」ではなく「手が届かない窓」に入れると費用対効果が高いというのが、住んでみての結論です。
仮に全部電動にしていたとしても、費用が増えたぶんに見合うほど日々のラクさは変わらなかったはずです。
逆に、高所窓の2箇所だけは手動にしなくて本当によかったと思っています。
平屋のデメリットとしてよく挙がるのが、家の中央が暗くなることと、音が全部屋に届くことです。
どちらも本当に起こります。
ただし、どちらも間取りの段階で対処できます。
平屋は建物が横にも奥にも広がるので、外壁から遠い部分に光が届きません。
目安として、窓から光がしっかり届くのは、窓の上端の高さの2倍から2.5倍程度の奥行きまでと言われます。
窓の上端が2.0mなら、届くのは 2.0 × 2 = 4.0mから 2.0 × 2.5 = 5.0mくらいまで。
奥行きが6mを超える部屋を片側の窓だけで明るくするのは無理がある、ということです。
解き方はいくつかあります。
中庭をつくる、コの字やL字にして外壁に接する面を増やす、天窓を入れる、そして勾配天井にして高い位置から光を落とす。
わが家が選んだのは最後の方法でした。
勾配天井の高所窓は、視線対策と採光を同時に片づけられるので、平屋との相性がいい選択だと思います。
効果は思ったより大きくて、冬の晴れた日中は照明を点けずに過ごせる時間がかなり長くなりました。
逆に言うと、この抜きを用意しないまま奥行きの深い平屋を建てると、昼間から照明が要る家になります。
間取りの提案をもらったら、LDKの一番奥の点から一番近い窓までの距離をメジャーで測る感覚で見てみてください。
そこが5mを大きく超えているなら、上から光を入れる工夫を足したほうがいいです。
2階建ては、階そのものが仕切りとして働きます。
1階のテレビの音は、2階の寝室にはほとんど届きません。
平屋にはその仕切りがなく、部屋と部屋を隔てているのは壁1枚です。
これは平屋の構造上どうにもならない部分なので、間取りで距離を稼ぐしかありません。
基本は、寝室をLDKから一番遠い側に置くことです。
そのうえで、あいだに音を出さない部屋を挟みます。
収納やクローゼット、そして水回りが緩衝材として働きます。
わが家は洗面所を中心にした配置にした結果、LDKと寝室のあいだに洗面所と浴室が入る形になりました。
狙って設計したというより、回遊動線を優先したら結果的にそうなったのですが、これがよく効いています。
それでも、子どもが寝たあとにテレビの音量を1段下げるくらいの気配りは残ります。
ここをゼロにできると期待しないほうがいいです。






ここまで通路を減らす話を書いてきましたが、その代償がいちばんはっきり出ているのが和室です。
わが家の和室6帖は、そこへ入るための通路を発生させないために、LDKと続き間にしてあります。
面積の使い方としては正しい判断だったと今も思っています。
ただ、続き間にした以上、和室とLDKを隔てているものはありません。
和室は、音の面では独立した部屋になりませんでした。
効いてくるのは、和室を「もう1つの部屋」として使いたくなったときです。
来客を和室に通しているあいだ、LDK側の生活音はそのまま届きます。
逆に、和室側で誰かが休んでいるなら、リビングのテレビをいつもの音量で点けるわけにいきません。
間取りを決めていたときは、通路をゼロにできるという続き間の効率のほうばかりを見ていました。
音まで含めて考えるなら、和室は「独立した個室」ではなく「LDKの延長」として計画するのが正確です。
ここを避けたいなら、方法は2つあります。
1つは、和室とLDKのあいだに引き戸を入れて、閉められる状態にしておくこと。
もう1つは、和室を通路つきの独立した個室として計画し、そのぶんの通路面積を最初から見込んでおくことです。
どちらを選んでも、通路の面積か音のどちらかは払うことになります。
わが家は面積を取りましたが、和室を客間として使う予定がはっきりしている家なら、判断は逆になると思います。
LDKの広さと続き間の関係はLDK20帖の記事でも触れています。
音の話を書いたので、使ってみて価値があった場面も正直に書きます。
和室がいちばん効くのは、サブ寝室として使うときです。
子どもが小さいうちは、寝かしつけの場所として使えます。
家族の誰かが体調を崩したときも、布団を敷いてそこで寝てもらえる。
ベッドと違って使わないときは何もない床に戻せるので、常設の個室より融通が利きます。
平屋は寝室が全部同じ階にあるので、隔離したいときに1部屋余っているかどうかは効きます。
逆に、期待したほど使われていない用途もあります。
子ども部屋を使う年齢になるまでの置き場所として、和室に子どものおもちゃを置いています。
ところが子どもは結局リビングで遊びます。
おもちゃだけが和室にあって、遊ぶのは隣、という状態です。
もうひとつ気づいたことがあります。
リビングにソファがあると、和室に座る回数は目に見えて減ります。
「床に座れる場所がほしい」という理由で和室を検討している方は、ソファを置くかどうかを先に決めてください。
両方あると、どちらかが使われなくなります。
後悔の話ばかりだと片手落ちなので、住んでみて地味に効いている利点も書きます。
どれも派手さはありませんが、毎日効くタイプの良さです。
共通しているのは、家じゅうの条件が同じになるという点です。
一条工務店の家といえば全館床暖房ですが、平屋だとこれが素直に働きます。
2階建ての場合、暖かい空気は上へ行くので、1階と2階で挙動が変わります。
2階が暑くなりすぎる、逆に1階の足元の効きを体感しにくいといった調整が要ります。
吹き抜けがあればなおさらです。
平屋には上下の差がありません。
すべての部屋が同じ階にあるので、床暖房の条件も同じです。
設定を1つ決めれば、家じゅうがそれに従います。
温度計を置いている部屋どうしで比べても、差はせいぜい1〜2℃程度に収まっていて、冬に廊下やトイレでひやっとする瞬間がありません。
床暖房の使い方や設定の考え方は床暖房の記事で詳しく書きます。
もう1つ、立ち上げが一度で済むのも平屋の利点です。
2階建てだと系統が分かれることがありますが、平屋は1フロアなので考えることが単純になります。
高断熱の家は温度を動かすのに時間がかかるので、迷わず一発で決められるのは実務的にありがたい部分です。
冬のうるケアによる加湿も同じで、家全体が同じ階にあるぶん、効き方に偏りが出にくいと感じています。
設備の性能をそのまま受け取れるというのは、平屋のわかりやすい強みです。
これは家を建てる前には想像していなかった利点でした。
2階建ての場合、1階に置いたルーターの電波が2階の端まで届かず、中継機やメッシュの機器を買い足すのがよくある流れです。
床と天井を1枚はさむだけで、電波はかなり弱まります。
平屋は全部が同じ平面にあるので、家の中央寄りに電波の出どころを置けば、そのまま端まで届きます。
上下方向の減衰がないぶん、単純に有利です。
わが家は中継機を足さずに家じゅうで使えています。
高断熱の家は壁の中に断熱材が詰まっているので電波が通りにくいという話もありますが、平屋ではそこまで気になっていません。
ポイントは、情報を集約するボックスの位置です。
ここが家の端にあると、平屋でも片側だけ弱くなります。
間取りの打ち合わせで、情報ボックスを家の中央寄りに置けるか確認しておくと後がラクです。
これは後から動かすのが面倒な部分なので、図面の段階で言っておく価値があります。
日々の家事では、掃除機を持って階段を上がらないこと、洗濯物を2階まで運ばないことが効きます。
これは平屋を選ぶ人が最初から期待している利点なので驚きはありませんが、期待どおりでした。
とくに洗濯は、洗う・干す・しまうが全部同じ階で完結すると、移動そのものが消えます。
意外だったのは、停電のときでした。
実際に何度か停電を経験しているのですが、分電盤も切替の操作盤も太陽光の自立運転コンセントも、全部同じ階にあります。
暗い中で階段を上り下りせずに済むというだけで、対応にかかる時間が短くなりました。
わが家は太陽光13.475kWと蓄電池1台、それにポータブル電源という構成で、Powerwall 3の増設は検討中です。
停電が起きたときにやることは、まず分電盤の状態を見て、次に切り替えの操作をして、必要ならポータブル電源を出す、という順番になります。
この手順は停電したときの記事に詳しくまとめています。
この一連の動きが全部同じ階で完結するのは、想像していたより落ち着ける要素でした。
2階建てだと、暗い階段を懐中電灯片手に上り下りする場面が確実に出てきます。
将来のメンテナンスでも平屋は有利です。
外壁や屋根の点検で組む足場の高さが低くなるので、その分の負担が軽くなる場合があります。
10年、20年と続くメンテナンスの話なので、初期費用が高いぶんを長い目で見るときの材料になります。






平屋を検討している方から実際によく聞かれる質問を、住んでいる側の答えとしてまとめます。
どれも「一般論としてはこう、住んでみるとこう」という形で書いているので、判断の材料にしてください。
坪数・費用・防犯と、迷いやすい順に並べています。
家族の人数と、通路をどれだけ削れるかで変わります。
30坪の平屋なら、夫婦と子ども1人までなら余裕があり、子ども2人だと収納をどこで確保するかが勝負になります。
目安として、LDK20帖・主寝室8帖・子ども部屋5帖×2で 20 + 8 + 5 + 5 = 38帖、坪に直すと 38 ÷ 2 = 19坪。
残り11坪で水回り・玄関・収納・通路をまかなう計算です。
ここが厳しいと感じるなら、小屋裏収納を足して床面積の外に逃がすか、33坪前後まで広げる判断になります。
理由の大半は、土地が広く要ることと、同じ延床でも建物が高くなることの2つです。
これは事実なので否定できません。
ただし、この2つが問題にならない条件、つまり土地に余裕がある地域で、老後まで住むつもりで建てるなら、話が変わってきます。
逆に、土地が狭い都市部で無理に平屋にすると、部屋が細切れになって暗い家になりやすいです。
やめたほうがいいかどうかは平屋そのものではなく、土地との組み合わせで決まります。
公開されている相場としては、おおむね80万円台から100万円台の幅で語られることが多く、平屋はその上振れ側になりやすい傾向があります。
理由はここまで書いたとおり、基礎と屋根の面積が同じ延床の2階建てのおよそ2倍になるためです。
ただし坪単価は延床で割るのか施工面積で割るのかで数字が変わるので、比較するときは同じ土俵かどうかを確認してください。
同じ建物でも、施工面積で割れば坪単価は小さく見えます。
他社と比べるときは、割る前の総額と、割るのに使った面積の2つをそろえてから並べてください。
33坪の平屋に住んでみて、後悔ポイントとして語られるもののうち、本当に重かったのは通路に取られる面積と、和室を続き間にしたこと、そして小屋裏に置けなかったものの行き場でした。
逆に、日当たりや防犯は、間取りの段階で手を打てば十分に解ける問題でした。
そして費用の話は、建物より土地に出るという点を先に知っておくかどうかで、土地探しの精度が変わります。
平屋の後悔は、住んでから起きるというより、土地と間取りを決めた時点でほぼ確定しています。
そのうえで、平屋を選んでよかったと感じているのは、家じゅうの条件がそろうことです。
床暖房の効き方も、電波の届き方も、掃除の手間も、停電のときの動きやすさも、階でばらつきません。
平屋の価値は「階段がないこと」ではなく「家じゅうが同じ条件になること」にあります。
これから間取りを描く方は、坪数を増やす前に通路を減らせないかを先に検討してみてください。
同じ予算でも、住んでからの体感がはっきり変わってきます。















