こんにちは、はちぱん住宅ラボのはるです。
私は一条工務店 → 住友林業 → 一条工務店と、これまでに3回家を建ててきました。
今の家で一条は2回目です。
同じメーカーをもう一度選んだ理由も含めて、実際に住んでわかったことを書いています。
数字や寸法は、できるかぎり自分で測ったものを載せています。

こんにちは、はちぱん住宅ラボのはるです。
私は一条工務店 → 住友林業 → 一条工務店と、これまでに3回家を建ててきました。
今の家で一条は2回目です。
同じメーカーをもう一度選んだ理由も含めて、実際に住んでわかったことを書いています。
数字や寸法は、できるかぎり自分で測ったものを載せています。
「500万円繰り上げ返済すると、いくら損しますか?」
この聞き方で調べている人が、けっこういます。損という言葉が出てくるのが、この話の本質だと思っています。
繰上返済をすれば利息は確実に減ります。そこは間違いない。
ただし年末のローン残高が減るので、住宅ローン控除も同時に減ります。
控除率0.7%に対して金利が0.5%だと、減る控除のほうが大きくなることがある。いわゆる逆ざやです。
両方を差し引いた金額を出すものを作りました。
プラスなら繰り上げたほうが得、マイナスなら待ったほうが得です。
繰上返済をすると利息は減りますが、年末のローン残高が減るので住宅ローン控除も減ります。
控除期間中の繰上返済は、条件によっては手取りベースで逆転します。両方を差し引いた金額を出します。
| 減らせる利息 | |
|---|---|
| 減ってしまう住宅ローン控除 | |
| 差し引き(プラスなら得) | |
| 短くなる返済期間 | |
| 繰上返済しない場合の完済 | |
| 繰上返済した場合の完済 |
元利均等返済・ボーナス返済なしで計算した概算です。繰上返済の手数料は含みません。金利は全期間変わらない前提で計算しているため、変動金利の場合は実際と差が出ます。
住宅ローン控除は2026年(令和8年)以降に入居した場合の控除率0.7%・控除期間13年で計算し、所得税は令和7年分以降の給与所得控除・基礎控除(令和7年8年分の上乗せを含む)と復興特別所得税2.1%、住民税は所得割10%・基礎控除43万円・住民税からの控除上限(課税総所得金額等の5%、最高97,500円)を反映しています。社会保険料は年収の15%として概算しており、扶養控除やその他の所得控除は考慮していません。
控除の借入限度額は住宅の性能で変わります。2026年入居なら認定長期優良住宅・認定低炭素住宅が4,500万円(子育て世帯・若者夫婦世帯は5,000万円)、ZEH水準省エネ住宅が3,500万円(同4,500万円)、省エネ基準適合住宅が2,000万円(同3,000万円)です。この計算は目安であり、実際の効果を保証するものではありません。繰上返済の可否・手数料・下限額は金融機関ごとに異なります。実行前に必ず借入先にご確認ください。
借入3,500万円・金利0.5%・35年・年収600万円・控除の枠3,500万円。
5年目の終わりに500万円繰り上げた場合です。
| 返し方 | 減る利息 | 減る控除 | 差し引き |
|---|---|---|---|
| 期間短縮型 | 約 73万円 | 約 -29万円 | 約 45万円の得 |
| 返済額軽減型 | 約 38万円 | 約 -24万円 | 約 14万円の得 |
期間短縮型でも、減らせた利息の4割が控除の減少で消えています。
返済額軽減型にいたっては6割以上。ここを見ずに「73万円得した」と思うと、実際の手取りとズレます。
金額の話をすると、正直これは私も意外でした。
繰上返済は無条件に正しいものだと思っていたので。
条件を変えていくと、はっきり損になる領域が出てきます。
同じ500万円・5年目・返済額軽減型で、金利だけを動かしたものです。
| 金利 | 減る利息 | 減る控除 | 差し引き |
|---|---|---|---|
| 0.2% | 約 15万円 | 約 -24万円 | 約 8.8万円の損 |
| 0.3% | 約 23万円 | 約 -24万円 | 約 1.2万円の損 |
| 0.4% | 約 30万円 | 約 -24万円 | 約 6.5万円の得 |
| 0.5% | 約 38万円 | 約 -24万円 | 約 14万円の得 |
| 1.0% | 約 78万円 | 約 -24万円 | 約 54万円の得 |
分かれ目は0.3%と0.4%のあいだ。
金利が控除率0.7%を大きく下回っていて、返済額軽減型を選ぶと逆転します。
期間短縮型はもっと利息が減るので、この金利帯でも損にはなりにくい。
ただし差は確実に縮みます。
いちばん単純な答えがこれです。
住宅ローン控除の期間(13年)が終わってから繰り上げれば、控除は1円も減りません。
シミュレーターで「繰り上げる時期」を14年目(13年目の年末残高が確定した後)にしてみてください。
減る控除の欄が「なし」になり、減らせた利息がそのまま効果になります。
つまり控除期間中は、繰り上げるお金を手元に置いておく。
13年目の年末残高が確定した翌年1月以降に、まとめて入れる。これがいちばん素直な形です。
ただし手元に置いておくには、置いておける精神状態が要る。ここは人によります。
私は数字だけで決めるのが正しいとは思っていません。
借金が減っていく安心感には、計算に乗らない価値がある。この差額を見たうえで、それでも早く減らしたいなら、それでいいと思います。
1つ目は手元資金。繰上返済したお金は戻ってきません。
教育費と、収入が止まったときの生活費が残るかを先に見てください。住宅ローンより金利の高い借金は、この世にいくらでもあります。
2つ目は団信。住宅ローンには団体信用生命保険が付いています。
繰り上げて残高を減らすと、万一のときに保険で消える金額も減ります。生命保険の一部を解約するのに近い面がある。
3つ目は手数料と下限額。
ネット手続きなら無料の銀行が多いですが、窓口だと数千円から数万円かかることがあります。1回あたりの最低金額が決まっている場合も。実行前に借入先で確認してください。
どれも「5年目の終わりに、期間短縮型で繰り上げる」条件で、年収と借入の組み立てだけを変えた3つのケースです。
数字は上のシミュレーターに同じ値を入れて出したもので、返済期間は35年でそろえています。
| 項目 | ケースA | ケースB | ケースC |
|---|---|---|---|
| 借入額 | 3,000万円 | 3,000万円 | 4,500万円 |
| 金利 | 0.6% | 0.6% | 0.5% |
| 年収(額面) | 400万円 | 700万円 | 700万円 |
| 控除の借入限度額 | 3,000万円 | 3,000万円 | 3,000万円 |
| 繰り上げる金額 | 300万円 | 300万円 | 500万円 |
| 減らせる利息 | 約55.1万円 | 約55.1万円 | 約74.8万円 |
| 減る住宅ローン控除 | 約-10.7万円 | 約-17.3万円 | 約-11.6万円 |
| 差し引き | 約44.4万円の得 | 約37.8万円の得 | 約63.3万円の得 |
| 短くなる返済期間 | 3年8か月 | 3年8か月 | 4年1か月 |
ケースAとBは、借入額も金利も繰り上げる金額も同じです。
減らせる利息はどちらも約55.1万円。
違うのは年収だけなのに、減る控除はAが約10.7万円、Bが約17.3万円と、6万円以上の差がつきました。
理由は、住宅ローン控除が「納めている税金の範囲まで」しか戻らない仕組みにあります。
控除額は年末残高の0.7%ですが、実際に戻るのは所得税と、住民税の一部(上限97,500円)まで。
年収400万円のケースAは、シミュレーターの前提では所得税と住民税の上限を合わせても、残高の0.7%ぶんを使い切れていません。
もともと税額で頭打ちになっているので、残高が減っても控除はあまり減らない。
年収700万円のケースBは税額に余裕があり、残高0.7%ぶんの控除をほぼ満額受けています。
残高が300万円減れば、そのぶん控除も減る。
年収が高い人ほど繰上返済で失う控除が大きく、差し引きの得は小さくなります。
ケースCは借入4,500万円に対して、控除の枠が3,000万円のケースです。
2026年入居なら、省エネ基準適合住宅の子育て世帯・若者夫婦世帯がこの枠にあたります。
年末残高が枠の3,000万円を上回っているあいだは、控除は「3,000万円×0.7%」で固定。
500万円繰り上げて残高が減っても、枠を上回っている年は控除が1円も減りません。
そのため減る控除は約11.6万円にとどまり、差し引きは約63.3万円の得と、3ケースでいちばん大きくなりました。
同じ条件で枠だけを4,500万円に変えると、減る控除は約28.6万円、差し引きは約46.2万円まで下がります。
借入が枠を大きく超えている人ほど、控除期間中でも繰上返済の損が出にくい。
枠は住宅の性能と入居年で決まるので、入力する前に自分の枠を確かめてください。
シミュレーターの入力は7項目です。
多くは、返済予定表と源泉徴収票の2枚でそろいます。
借入額は、金融機関と結んだ金銭消費貸借契約書か、返済予定表の最初の行にある当初の借入金額を入れます。
今の残高ではなく、借りたときの金額。
シミュレーターは借入開始から毎月の返済を積み上げて、繰り上げる時点の残高を出しているためです。
金利は、返済予定表か金利の変更通知に載っている「適用金利」。
店頭金利から優遇幅を引いたあとの数字です。
返済期間は、契約書の借入期間か、返済予定表の最終回の年月から数えます。
「繰り上げる時期」は、借入を始めた年を1年目として数えます。
シミュレーターは借入と入居が同じ年の前提で、控除の13年も借入1年目から数えています。
入居が借入の翌年になった場合などは、控除の期間が1年ずれることを頭に入れて結果を見てください。
ペアローンで2本借りている場合は、1本ずつ、その本の債務者の年収で計算してください。
住宅ローン控除は、借りている人がそれぞれ自分の残高について受けるものです。
年収には、源泉徴収票のいちばん上にある「支払金額」を入れます。
手取りではなく、賞与も含んだ1年分の額面です。
シミュレーターは会社員の給与所得控除で税額を出しているので、自営業の人は結果がずれます。
昇給や育休で年収が大きく変わる予定があるなら、変わったあとの年収でも1回入れておくと、控除の減り方の違いが見えます。
年末調整で住宅ローン控除を受けている人は、同じ源泉徴収票の「住宅借入金等特別控除の額の内訳」欄も見てください。
「住宅借入金等特別控除可能額」に金額が入っていれば、所得税だけでは控除を使い切れていない状態。
ケースAと同じ頭打ちの側にいるので、繰上返済で減る控除は小さく出やすくなります。
シミュレーターは社会保険料を年収の15%とし、扶養控除などは入れていません。
扶養家族が多い人や、ほかの所得控除が大きい人は税額が小さくなるので、ケースAの頭打ちに近い動きをします。
枠は入居した年と住宅の性能で決まります。
2026年入居の数字は、シミュレーター下の注記のとおりです。
性能の区分は、確定申告のときに添付した長期優良住宅の認定通知書や住宅省エネルギー性能証明書などで確認できます。
最初の年に税務署へ出した「住宅借入金等特別控除額の計算明細書」の控えにも、区分と金額が書いてあります。
2025年以前に入居した人は枠が違います。
入居年の枠は、必ず国税庁のタックスアンサー(No.1211-1)で確認してください。
住宅ローン控除を受けていない人は0を入れれば、利息の削減だけが出ます。
書類がすぐに見つからないときは、仮の数字で2回計算すれば判断はつきます。
記事冒頭の条件(借入3,500万円・金利0.5%・年収600万円・5年目に500万円・期間短縮型)なら、枠を3,500万円にしても4,500万円にしても差し引きは同じ約44.6万円の得。
借入額が枠より小さいと、枠がいくらでも結果は変わりません。
一方、枠を2,000万円にすると、減る控除は約3.1万円まで小さくなり、差し引きは約70.0万円の得に増えます。
2通りとも差し引きがプラスなら、細かい数字を詰めなくても結論は同じ。
プラスとマイナスが入れ替わるときだけ、書類で正確な数字を確かめれば足ります。
控除そのものがなくなるわけではありません。
減るのは、年末残高が下がったぶんの控除額です。
年末調整や確定申告では、毎年金融機関から届く「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」の残高が使われます。
繰り上げた翌年からこの金額が下がり、控除も下がる仕組み。
上の表の「減る住宅ローン控除」は、その減少分を13年ぶん足した金額です。
ただし、期間短縮型で大きく繰り上げる場合は別の注意があります。
国税庁の質疑応答事例では、繰上返済のあとの償還期間で判定するとされています。
当初の最初の返済月から、短くなった最終の返済月までが10年未満になると、その年以後は控除を受けられません。
返済期間が短い借り方や、まとまった額を一度に返す場合は、繰上返済後の返済予定表で最終回の年月を必ず確認してください。
記事冒頭の条件(借入3,500万円・金利0.5%・35年・年収600万円・枠3,500万円・500万円・期間短縮型)で、時期だけを変えた結果です。
| 繰り上げる時期 | 減らせる利息 | 減る控除 | 差し引き |
|---|---|---|---|
| 5年目の終わり | 約73.2万円 | 約-28.6万円 | 約44.6万円の得 |
| 13年目の終わり | 約51.0万円 | なし | 約51.0万円の得 |
| 14年目の終わり | 約48.3万円 | なし | 約48.3万円の得 |
待つほど減らせる利息は小さくなりますが、控除が減らないぶん、差し引きでは5年目より4〜6万円ほど多く残ります。
「13年目の終わり」は、13年目の年末残高が確定したあと、つまり翌年1月以降に実行する形です。
年内に繰り上げると、その年の年末残高が減って13年目の控除も減ります。
この比較は、金利が35年間変わらない前提。
変動金利の人は、今の適用金利で1回、上がった場合を想定した金利で1回、2通り入れて比べてください。
記事冒頭の条件で金利だけを1.0%にすると、5年目の繰上返済で減らせる利息は約156.1万円、減る控除は約29.3万円、差し引きは約126.8万円の得。
控除の減り方はほとんど変わらないのに、差し引きは0.5%のときの3倍近くになります。
金利が上がる見通しなら、待つより早く返したほうが有利になることもあります。
差し引きの金額だけで比べるなら期間短縮型です。
記事冒頭の条件では、期間短縮型が約44.6万円の得、返済額軽減型が約14.3万円の得。
同じ500万円でも3倍ほどの差が出ました。
期間短縮型は返済が早く終わるぶん、利息のかかる期間そのものが減ります。
そのかわり毎月の返済額は変わらないので、月々の家計は楽になりません。
返済額軽減型は、毎月の返済額が下がります。
教育費のピークが近い、収入が下がる予定があるといった家庭では、総額より毎月の余裕を優先する考え方もあると思います。
返済期間が変わらないので、先ほどの「10年未満」の判定にかからないのも返済額軽減型の特徴。
ただし金利0.3%以下で返済額軽減型を選ぶと、差し引きがマイナスになることは上の表のとおりです。
