「押入れの内寸って結局何cm?」
これを検索している人は、たいてい収納ケースを買う直前だと思います。
そして先に警告です。
図面の「1マス=91cm」を信じてケースを買うと、入りません。
91cmは壁の中心線どうしの距離で、実際に使える内寸は壁の厚みぶん狭くなるからです。
この記事では、一条工務店の押入れのサイズの仕組み・種類(A/B/C/D/Z)・収納ケースの適合目安を整理しました。
後半では、わが家が採用した吊り押入れの正直な感想(ちょっと後悔アリ)も書きます。
はちぱん


結論|サイズ早見表
| 項目 | 選択肢・目安 |
|---|---|
| 幅(図面上) | 90cm(1マス)/135cm(1.5マス)/180cm(2マス) |
| 奥行き(図面上) | 45cm/60cm/90cm |
| 実際の内寸 | 上記より壁厚ぶん狭くなる(1マス幅で内寸78cm前後が目安) |
| 種類 | 押入A(中段+上段)/B(上段のみ)/C(中段のみ)/D(上段2段)/Z(棚なし) |
| 打ち合わせで指定できる | 中段・上段の高さ/自在棚/コンセント/照明など |
※仕様・選択肢は商品(i-smart/グランスマート/グランセゾン等)と時期で異なります。最終判断は必ず自分の図面と実測で。
「1マス91cm」の正体|内寸はなぜ狭くなるのか
一条の家は尺モジュールで設計されていて、図面は1マス=91cmのグリッドでできています。
ただし、この91cmは「壁の中心から、隣の壁の中心まで」の距離です。
実際の空間は、そこから両側の壁の厚み(半分ずつ)を引いた分しかありません。
| 数値 | 意味 | |
|---|---|---|
| 図面の1マス | 91cm | 壁芯〜壁芯 |
| 実際に使える幅(目安) | 78cm前後 | 壁の厚みを引いた内寸 |
| 消える幅 | 約13cm | ここを忘れるとケースが入らない |
「78cm前後」の根拠は、一条の自在棚の棚板規格です。
1マス幅の壁内に収まる棚板は幅78cmで作られています。つまりメーカー自身が「1マスの実効内寸は78cm程度」として部材を設計しているわけです。
【一条工務店】自在棚 完全ガイド|品番の読み方・全サイズ価格
奥行きも同じ理屈で狭くなります。
ケースを買う前に、幅・奥行き・高さの3つを必ずメジャーで実測してください。
この記事の数字は「事前の目安」、最終確認は現物です。
押入れの種類|A・B・C・D・Zの違い
一条の押入れは、中の棚の構成でタイプが分かれています。
施主の報告をもとに整理すると、こうなります。
| タイプ | 棚の構成 | 向いている使い方 |
|---|---|---|
| 押入A | 中段+上段(昔ながらの押入れ型) | 布団+季節物。和室の定番 |
| 押入B | 上段のみ | 下に大物(衣装ケース・掃除機)を置きたい |
| 押入C | 中段のみ | 上下2分割でざっくり使う |
| 押入D | 上段が2段 | 細かい物の整理。リビング収納向き |
| 押入Z | 棚なし | 中を自由に設計したい(自在棚と組み合わせ) |
上段にはハンガーポールが付く仕様もあります(奥行45cmを除く)。
迷ったら「Z+自在棚」が最強
個人的なおすすめは、棚なしの押入Zにして、中に自在棚を仕込む構成です。
固定の中段は高さが合わないと一生使いにくいですが、自在棚なら後から棚板を動かせます。
実際、リビングの押入れに自在棚を入れて「ニトリのボックスでぴったり整理」している施主の実例が複数あります。
ただし布団をしまう押入れだけは、昔ながらの中段(押入A)が正解です。
布団の上げ下ろしは「腰の高さの頑丈な棚」がいちばんラクなので、ここは適材適所で。
収納ケース適合の目安|奥行きで決まる
ここが実用のキモです。
市販の収納ケースは「押入れ用」と「クローゼット用」で奥行きがまったく違います。
| 押入れの奥行き(図面) | 合うケースの奥行き | 該当する市販品 |
|---|---|---|
| 90cm | 74cm・65cm | 押入れ用ケース(Fits押入れ用・無印PP衣装ケースなど) |
| 60cm | 53cm・44.5cm | クローゼット用ケース |
| 45cm | 39cm以下 | 浅型・小型ケース(44.5cmはギリギリ。実測必須) |
よくある失敗は2パターンです。
- 奥行き60cmの押入れに「押入れ用(74cm)」を買う——名前で選ぶと入りません
- 扉のレール・枠の出っ張りを忘れる——内寸ぴったりのケースは、出し入れで枠に引っかかります
「ケースの奥行き=押入れ内寸 −5cm程度」を上限にすると、引っかかりのストレスがありません。
ブックシェルフのときと同じ、「ぴったりよりちょっと余る」が正解です。
引き出し式ケースを使うなら、同じシリーズで揃えて積むのが鉄則です。
メーカーが違うと微妙に高さが合わず、積んだときにガタつきます。
あとから買い足すことを考えて、定番の継続シリーズを選んでください。
【実体験】吊り押入れは慎重に|わが家のちょっと後悔
ここからは、わが家の正直な話です。
わが家は吊り押入れ(黒)を採用しました。
床から浮いた形の押入れで、下の空間が抜けて見えるのが特徴。和室・畳コーナーの定番オプションです。
結論から言うと——意外と使いづらいです。



理由①:天井高を上げないと「浮いて」見えない
これは採用前に誰も教えてくれなかったポイントです。


吊り押入れの魅力は「宙に浮いた軽やかな見た目」のはずですが、天井高を上げるオプションをしていないと、下がり天井からぶら下がっているだけの見た目になります。
上に抜け感がないので、「浮いてる」というより「天井から生えてる」印象になるんです。
つまり吊り押入れが映えるのは、こういう条件の家です。
- 天井高を上げるオプションを入れている
- もともと天井高が高い商品(グランセゾンなど)を選んでいる
標準の天井高のままなら、私は普通の押入れを選びます。
見た目のためのオプションなのに、見た目の効果が半減するからです。
理由②:収納力と使い勝手は普通の押入れが上
当然ですが、浮いている分だけ収納の容積は減ります。
床までの普通の押入れなら重い物をそのまま床置きできますが、吊り押入れは持ち上げて入れることになる。
下の空間は「見せる床」なので物を置いたら台無し。
結果として、使いやすさで比べれば普通の押入れのほうが確実に上です。
わが家の結論
| あなたの家 | おすすめ |
|---|---|
| 天井高オプションあり/グランセゾン系 | 吊り押入れが映える。アリ |
| 標準天井高 | 普通の押入れを推奨(見た目効果が半減し、収納力だけ減る) |
| 収納量を最優先 | 普通の押入れ一択 |
デザインは好みの世界なので「吊り押入れはやめろ」とまでは言いません。
ただ、「天井高とセットで初めて完成するオプション」だと知ったうえで選んでください。
わが家のように「思ってたのと違う」となる人が減れば幸いです。
打ち合わせで指定できること
押入れは「選んで終わり」ではなく、細かい指定ができます。
施主の報告によると、このあたりが調整可能です。
- 中段・上段の高さ指定——収納ケースの高さから逆算して決めるのが正解
- 自在棚の追加
- コンセントの追加——掃除機・ルンバ基地にするなら必須
- 照明の追加——奥行き90cmの押入れは奥が真っ暗になります
特に中段の高さ指定は知らない人が多い調整です。
「使う予定の衣装ケース×何段」を先に決めて、その高さに合わせて中段を指定する——この順番で決めると、1cmも無駄のない押入れになります。
コンセントは「後から欲しくなる」代表格です。
コードレス掃除機やルンバの充電基地として押入れ下段を使う家庭は多いので、可能性が少しでもあれば付けておく価値があります。
【実践】中段の高さを逆算で決める手順
「中段の高さを指定できる」と言われても、何cmにすればいいか分からないと思います。
手順はこうです。
- 下段に入れる収納ケースを決める(例: 高さ30cmの引き出しケース)
- 何段積むか決める(例: 3段 = 90cm)
- 出し入れの余裕を1〜3cm足す
- その数値(例: 93cm前後)を中段下端の高さとして指定する
この順番で決めると、ケースの上に中途半端な隙間ができません。
逆に「なんとなく標準の高さ」で作ると、ケース2段の上に微妙な15cmの空間が生まれて、そこが一生デッドスペースになります。
ケースのモデルチェンジで高さが変わることもあるので、「積んだ高さ+余裕」は少し多めに取るのが安全です。
押入れとクローゼット、どっちにする?
| 押入れ | システムクローゼット | |
|---|---|---|
| 得意なもの | 布団・大物・ケース収納 | 掛ける衣類 |
| 自由度 | 高い(特に押入Z) | 枕棚+ポールで固定的 |
| 向く場所 | 和室・リビング・廊下 | 寝室・子ども部屋 |
判断は「掛けたい服の量」で決まります。
掛ける服が多い場所はクローゼット、それ以外は押入れのほうが潰しが効きます。
収納の標準枠(施工面積6坪に1つ)はどちらも消費するので、配分はブックシェルフ記事の配分設計例も参考にしてください。
よくある質問
Q. 布団はどのサイズの押入れに入る?
布団収納なら奥行き90cm(内寸で75cm前後)が基本です。
シングルの敷布団は三つ折りで約100×70cm前後になるため、奥行き60cm以下の押入れには収まりません。
「布団をしまう場所」だけは、奥行き90cmを死守してください。
Q. 押入れのカビ対策は?
一条の家は24時間換気が回っているので、昔の家ほどカビやすくはありません。
それでも押入れの中は空気が動きにくいので、この3つが有効です。
- 物を詰め込みすぎない(壁との間に隙間を残す)
- すのこ・キャスター台で床から浮かせる
- 除湿剤を置いて、シーズンごとに交換
Q. 扉は引き戸・折れ戸・観音開きのどれがいい?
| 特徴 | 注意点 | |
|---|---|---|
| 引き戸 | 開閉スペース不要 | 常に半分しか開かない |
| 折れ戸 | ほぼ全開にできる | レール・蝶番部分がデッドスペースに |
| 観音開き | 全開できて構造がシンプル | 扉の分だけ手前に空間が必要 |
大きい衣装ケースを出し入れするなら全開にできるタイプが有利です。
引き戸は省スペースですが、「幅180cmの押入れなのに、一度に90cmしか開かない」という点は住んでから効いてきます。
まとめ
- 図面の91cmは内寸ではない——1マス幅の実効内寸は78cm前後。ケース購入前に必ず実測
- 種類はA/B/C/D/Zの5系統——布団は押入A、自由に使うならZ+自在棚
- ケースは奥行きで選ぶ——90cm→押入れ用/60cm→クローゼット用/45cm→浅型
- 中段の高さは指定できる——ケースの高さから逆算する
- 吊り押入れは天井高とセットで完成するオプション——標準天井高なら普通の押入れ推奨(実体験)
収納は「広さ」より「合っているか」です。
使うケースを先に決めて、押入れの仕様をそれに合わせる——この順番さえ守れば、失敗しません。












